BBI, Alkaline Phosphatase, アルカリホスファターゼ、ALP、AP

株式会社サンフコが販売する、BBI Solutions社製の「Alkaline Phosphatase(ALP、またはAP)」は、25年以上の供給実績があるウシ小腸由来のALPです。
複数回の分画、クロマトグラフィーとフィルトレーションにより精製し、高い活性と純度を持っています。

BBI SOLUTIONS社「Alkaline Phosphatase」

Alkaline Phosphatase(ALP、AP、アルカリホスファターゼ)とは?

Alkaline Phosphataseは、モノリン酸の加水分解を触媒する酵素で、GPI(Glycosylphosphatidylinositol;グリコシルホスファチジルイノシトール)アンカーで細胞膜に存在する、GPIアンカータンパク質の一つです。活性は異なりますが、動物だけでなく植物や微生物にも存在します。例えば大腸菌と動物の間のALPの相同性は25%以上ですが、動物のALPは大腸菌の10倍から100倍高い酵素活性を持ち、その中でも小腸由来のALPが最も高い活性を示します。
ヒトにおいてALPは小腸の他、胎盤、骨、肝臓などにも分布し、複数のアイソザイムが存在します。臨床面では肝機能の指標とされたり、骨芽細胞のマーカーとなることが知られています。
ALPはその名前の通り、アルカリ性側で酵素活性を持ちます。研究現場でよく使用されるウシ小腸由来ALPの至適pHは10付近ですが(図1)、pH7~11の間でも24時間以上安定な活性を持つと考えられています。温度面では、最大活性を50℃付近で持つという結果も得られています(図2)。

図1 異なるpHにおける活性の変化 (BBI社資料より)
図2 異なる温度における活性の変化 (BBI社資料より)

ウシ小腸由来のALPは、2つのサブユニットから構成される分子量160 kDaのタンパク質で、それぞれのサブユニットに2つの亜鉛イオン(Zn2+)が含まれます。それぞれALPの触媒活性と構造維持に必須です。マグネシウムイオン(Mg2+)の存在は亜鉛の存在下でも触媒活性を高めますが、ベリリウムイオン(Be2+)や銅イオン(Cu2+)などの競合イオンの存在は活性喪失につながります。

Alkaline Phosphatase(ALP)の研究アプリケーションでの活用

ALPは抗体の標識やアビジン(Avidin)・ストレプトアビジン(Streptavidin)への標識により、免疫組織化学染色(IHC)やELISAを含むイムノアッセイでのシグナル可視化や増感目的で広く活用されています。ALPと並んで免疫組織化学染色(IHC)やイムノアッセイで使用されるHorse Radish Peroxidase (HRP、西洋ワサビペルオキシダーゼ)よりも、広い数値の範囲でより直線的な反応率が求められる際に使用されます。

また分子生物学実験においては、DNAサブクローニング時に、ベクター再環状化を防ぐための分子末端からのリン酸基除去に用いられます(RNAのリン酸基除去にも使用されます)。
標識ではありませんが、胚性幹細胞(Embryonic Stem Cell、ES細胞)やiPS細胞(induced Pluripotent Stem Cell)の未分化状態を確認するため、マーカーの一つであるALPの染色が利用されています。

Alkaline Phosphatase(ALP)に対して使用される基質の種類

発色、化学発光、蛍光を示すALPに対する基質は多く存在し、各社から販売されています。その中でも古くからある発色基質はBCIP/NBT (5-Bromo-4-Chloro-3-Indolyl-Phosphate / Nitro Blue Tetrazolium)とpNPP(p-Nitrophenyl phosphate)です。

・BCIP/NBT:BCIPがALPの発色基質です。ALPとBCIPの反応による生成物がNBTによって還元され、濃青~紫色の沈殿物を生じます。不溶性のためELISAには向かず、メンブレン(ウェスタンブロッティング、ELISpot)やin situハイブリダイゼーション(ISH)、免疫組織化学染色(IHC)で使用されます。

pNPP:無色のpNPP(p-ニトロフェニルリン酸)がALPとの反応により、黄色の生成物(p-ニトロフェノール)を生じます。水溶性のため、主にELISAで使用されます。水酸化ナトリウム水溶液を反応停止液として用い、405 nmの吸光度を測定してデータを得ます。

BBI SOLUTIONS社のAlkaline Phosphatase(ALP)

BBI Solutions社は研究や診断アプリケーション向けに、高い活性と純度、ロット間差が小さく、安定した性能を示す様々な酵素を60年以上に渡り業界へ一貫して提供しています。
25年以上の供給実績があるBBI Solutions社のALPは、以下の特長を持ちます。

  1. 高い活性
    2,000グリシンU/mg および >6,000 DEA U/mgの活性を持つ製品がラインアップされています。いくつかのバッチでは >2,300グリシンU/mg および >7,000 DEA U/mgを持つことがあり、アッセイでの性能を確実なものにします。
    なおBBI Solutions社のALPでは、1グリシンU=3 DEA Uに変換できます。
  2. 高い安定性
    48か月後でも、活性の低下は10%未満です。
  3. 複数のグレード
    様々なアプリケーションに最適な選択肢を提供しています。ウシIgGが検出限界以下(Not Detectable)の製品もラインアップされています。
  4. バルク対応可能
    最適化された大規模製造プロセスで、全グレードでバルク(大容量)の製造が可能です。

Alkaline Phosphatase(ALP)の活性定義について

BBI Solutions社のALPは、グリシン(Glycine)U/mgまたはDEA U/mgの定義で活性が評価されています。これらのユニットは以下の形で定義されています。
・グリシン(Glycine)U/mg:25℃、pH 9.6のグリシンバッファーで、1分間に1 μmolのpNPPを加水分解する酵素量を表します。
・DEA:37℃、pH 9.8のジエタノールアミン(diethanolamine、DEA)バッファーで、1分間に 1 μmolのpNPPを加水分解する酵素量を表します。

BBI SOLUTIONS社Alkaline Phosphatase(ALP)を利用したアプリケーション

  • ALPを抗体に標識し、免疫組織化学(Immunohistochemistry)やウエスタンブロット、ELISAなどの免疫化学的アプリケーションで使用
  • ALPをアビジンやストレプトアビジンに標識し、上記の免疫化学的アプリケーションでの感度向上(増感)試薬として使用
  • イムノアッセイのブロッキング目的(※)
    (※)適用アプリケーションに記載の製品でご利用ください。

BBI SOLUTIONS社 ALP製品情報

商品コード活性ウシIgGアプリケーション
ALPI13G>2500 Glycine U/mg protein検出限界以下イムノアッセイ
ALPI12G>2000 Glycine U/mg protein検出限界以下イムノアッセイ
ALPI11G>1800 Glycine U/mg protein検出限界以下イムノアッセイ
ALPI10G>1600 Glycine U/mg protein検出限界以下イムノアッセイ
ALPI8G>1400 Glycine U/mg protein検出限界以下イムノアッセイ
ALPIXG>1000 Glycine U/mg protein検出限界以下イムノアッセイ
ALPIXT>2000 DEA U/mg protein検出限界以下イムノアッセイ
ALPI3>20 U/mg materialイムノアッセイ
ALPI6G>700 Glycine U/mg proteinイムノアッセイ
ALPI8T>2600 DEA U/mg proteinイムノアッセイ
ALPIS1>1.5 U/mg proteinイムノアッセイ/ALPブロッキング
ALPIW1>2 U/mg proteinイムノアッセイ/ALPブロッキング
ALPIW2<15 U/mg proteinイムノアッセイ/ALPブロッキング

<共通項目>
EC番号(Enzyme Commission numbers;酵素番号):3.1.3.1
由来:ウシ小腸粘膜

会社情報(お問い合わせ先)

会社名株式会社サンフコ
部署名バイオ営業部
住所東京都千代田区鍛冶町1-8-3神田91ビル8階
TEL03-3255-2460
FAX03-3255-0787
Websitehttps://www.sunfco.com/
E-mailbiosolutions_sales@sunfco.com