私たちが健康的な生活を送るために、強くて丈夫な骨を維持することは必要不可欠です。
骨は体の構造をサポートするだけでなく、重要な臓器を保護し、カルシウムおよびリンなどのミネラル供給源としての役割もあります。そのため、骨密度および骨強度は健康的な骨を維持するのに重要な要素となります。
この記事では、「骨の健康と骨粗しょう症」そしてそれに関連する「骨マーカー」について特集します。
オーストリアのウィーンに拠点を持つ「Biomedica Medizinprodukte GmbH」社(以下、Biomedica社)は、各種バイオマーカーの測定に有用な研究用のELISAキットを販売しており,日本ではフナコシ株式会社が代理店として販売を行っています。
Biomedica社のELISAキットは、国際的な品質ガイドラインに沿ってバリデーションされています。世界中でご利用頂いており、1,700本以上の文献で使用されています。
優れた品質を誇る、Biomedica社の測定キットをぜひご利用ください。
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症の一番の症状は、骨が弱く脆い状態になることです。
骨粗しょう症は世界で最も一般的な代謝性骨疾患で(1)、様々な年齢の人に影響を与える可能性があります。また一般的に老化と関連しているため、骨粗しょう症発症のリスクは高齢になるほど高まります。男性と女性両方に発症する可能性がありますが、とくに閉経後の女性では、骨を保護する役割を持つエストロゲン量の減少により、骨粗しょう症発症のリスクがより高くなります。
骨粗しょう症の予防には、バランスの取れた食事と運動が必要となります。骨粗しょう症のある閉経後の女性における研究では、中程度および高強度のレジスタンスおよび負荷トレーニングが、骨塩密度の改善に有効であることが報告されています(2)。
調節の役割をする骨マーカー
タンパク質バイオマーカーは、骨の健康状態を評価および骨粗しょう症治療の有効性をモニターする目的で、臨床研究や臨床現場でよく使用されます。これらのバイオマーカーの中には、骨代謝およびターンオーバーの制御プロセスに関与する情報を提供しているものもあります。
これらのバイオマーカーをモニターすることで、骨の全体的な健康状態を把握することができます。そのような制御バイオマーカーには、以下の因子があります:
Sclerostin (SOST)
Sclerostin (SOST) は、骨中に埋め込まれている骨細胞で産生されます。Sclerostin は骨特異的なWnt経路インヒビターで、破骨細胞形成および骨吸収促進により、骨形成を負に調節します(3)。Sclerostin 量の上昇は、骨形成の減少を示す可能性があります。
Dickkopf-1 (DKK-1)
Dickkopf-1 (DKK-1) はSclerostin 同様、骨形成に必須のWntシグナル伝達のインヒビターです。血清DKK-1の上昇は骨吸収を促進するため(4)、DKK-1の量は、骨形成抑制を示している可能性があります。
Receptor Activator of Nuclear Factor-Kappa B Ligand (RANKL)
Receptor Activator of Nuclear Factor-Kappa B Ligand (RANKL)は、破骨細胞の活性化と形成の重要な調節因子です。RANKLは骨細胞から分泌され、破骨細胞を活性化して骨吸収を促進することから、破骨細胞形成の最も重要な因子です(5)。
Osteoprotegerin (OPG)
Osteoprotegerin (OPG) はRANKLのデコイ受容体で、骨吸収を調節します(6)。OPG/RANKL比の変化は、骨のリモデリングに影響する可能性があります。
Fibroblast growth factor (FGF23)
Fibroblast growth factor (FGF23)は、リン酸の恒常性およびビタミンD代謝を調節するホルモンです。FGF23の異常値は、低リン酸血症性くる病などの骨の健康に影響する疾患と関連しています(7)。
以上のタンパク質バイオマーカーは全て、ヒトの血液サンプルからELISAで簡単に測定できます。
Biomedica社の骨マーカーELISAキット
日本では、上記のBiomedica社骨マーカーELISAキットを、当社の信頼あるパートナーである代理店のフナコシ株式会社よりご購入頂けます。(メーカー略称:BMC)
※日本では全て「研究用」試薬として販売されています。
Sclerostin ELISAキット
【特長】
- 290超の使用文献がある、最も引用されているSclerostin ELISA
- 少ないサンプル量 – 20µl / ウェル
- 国際的なガイドラインに沿ってバリデーション
【製品詳細】 - 商品コード:BI-20492
- サンプル種:血清、EDTA血漿、クエン酸血漿、ヘパリン血漿、尿、細胞培養上清
- サンプル量:20 µl / well
- 感度:3.2 pmol/l (= 72 pg/ml)
- 測定範囲:3.2 – 240 pmol/l (= 72 – 5,400 pg/ml)
- 交差性:Wise (Sostdc1) やNogginには交差しない。またラットやマウスのSclerostinには交差しない。
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
Bioactive Sclerostin ELISAキット
【特長】
- 受容体結合領域をターゲット
- FDA/ICH/EMEAガイドラインに沿い、臨床サンプルで厳密にバリデーション
- 少ないサンプル量 – 1ウェルにつき 20 µlの血清/血漿
【製品詳細】 - 商品コード:BI-20472
- サンプル種:血清、EDTA血漿、クエン酸血漿、細胞培養上清、尿
- サンプル量:20 µl / well
- 感度:1.9 pmol/l (= 42.7 pg/ml)
- 測定範囲:0 – 320 pmol/l (= 0 – 7,200 pg/ml)
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
DKK-1 ELISAキット
【特長】
- 170超の文献で広く引用
- 直接測定
- 国際的なガイドラインに沿ってバリデーション
【製品詳細】
- サンプル種:血清
- 商品コード:BI-20413
- サンプル量:20 µl / well
- 感度:1.7 pmol/l (= 43.0 pg/ml)
- 測定範囲:1.7 – 160 pmol/l (= 43 – 4,102 pg/ml)
- 交差性:ヒトDKK-1のみ。ヒトDKK-2、DKK-4、Kremen-1、Kremen-2やLRP-6への阻害は見られません。
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
Osteoprotegerin (OPG) ELISAキット
【特長】
• 250超の使用文献がある、最も引用されているヒトOPG ELISA
• 1日で完了する試験、Ready to use の色分けされた試薬
• コントロール入り
【製品詳細】
- 商品コード:BI-20403
- サンプル種:血清、EDTA血漿、ヘパリン血漿、クエン酸血漿
- サンプル量:20 µl / well
- 感度:0.07 pmol/l (= 1.4 pg/ml)
- 測定範囲:0.07 – 20 pmol/l (= 1.4 – 400 pg/ml)
- 交差性:ラット、マウスには交差しない。
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
soluble free RANKL (sRANKL)ELISAキット
【特長】
• 高感度-健康な被験者において測定可能な濃度
• 遊離した、非複合体の可溶性RANKLのみを測定するELISA
• 300超の使用文献で引用
【製品詳細】
- 商品コード:BI-20462
- サンプル種:血清、ヘパリン血漿
- サンプル量:150 µl / well
- 感度:0.01 pmol/l (= 0.2 pg/ml)
- 測定範囲:0.01 – 2 pmol/l (= 0.2 – 40 pg/ml)
- 交差性:様々な霊長類とヒトの間では、配列の相同性が>95%。これらの種では交差する可能性がある。
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
FGF23 (C-terminal) ELISAキット
【特長】
- 血清・血漿サンプル用
- 完全にバリデーション
- 50超の使用文献で引用
【製品詳細】
- 商品コード:BI-20702
- サンプル種:血清、EDTA血漿、クエン酸血漿、ヘパリン血漿
- サンプル量:50 µl / well
- 感度:0.08 pmol/l (= 0.6 pg/ml)
- 標準曲線範囲:0 – 20 pmol/l (= 150.4 pg/ml)
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
Intact FGF23 ELISAキット
【特長】
- 血清・血漿サンプル用
- 完全にバリデーション
- ワンステップELISA
【製品詳細】
- 商品コード:BI-20700
- サンプル種:血清、EDTA血漿、クエン酸血漿、ヘパリン血漿、尿、細胞培養上清
- サンプル量:50 µl / well
- 感度:0.21 pmol/l (=5.4 pg/ml )
- 測定範囲:5.4 – 1,600 pg/ml (= 0.2 – 60.8 pmol/l)
- 交差性:FGF3、FGF19、FGF21には交差しない。
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
参考文献
- The clinician’s guide to prevention and treatment of osteoporosis.
LeBoff MS et al., Osteoporos Int. 2022 Oct;33(10):2049-2102. doi: 10.1007/s00198-021-05900-y. - A comparison of different exercise intensities for improving bone mineral density in postmenopausal women with osteoporosis: A systematic review and meta-analysis.
Kitagawa T et al., Bone Rep. 2022 Oct 21;17:101631. doi: 10.1016/j.bonr.2022.101631. - Role of Wnt signaling and sclerostin in bone and as therapeutic targets in skeletal disorders.
Marini F et al., Osteoporos Int. 2023 Feb;34(2):213-238. doi: 10.1007/s00198-022-06523-7. - Inflammation and Bone Metabolism in Rheumatoid Arthritis: Molecular Mechanisms of Joint Destruction and Pharmacological Treatments.
Maeda K et al., Int J Mol Sci. 2022 Mar 6;23(5):2871. doi: 10.3390/ijms23052871. - Osteocyte-Related Cytokines Regulate Osteoclast Formation and Bone Resorption.
Kitaura H et al., Int J Mol Sci. 2020 Jul 21;21(14):5169. doi: 10.3390/ijms21145169. - The Role of Osteoprotegerin in Vascular Calcification and Bone Metabolism: The Basis for Developing New Therapeutics.
Rochette L et al., Calcif Tissue Int. 2019 Sep;105(3):239-251. doi: 10.1007/s00223-019-00573-6. - FGF23-related hypophosphatemic rickets/osteomalacia: diagnosis and new treatment.
Fukumoto S. J Mol Endocrinol. 2021 Feb;66(2):R57-R65. doi: 10.1530/JME-20-0089.
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