CKD、OPG、慢性腎臓病、心血管リスク


腎臓は血液から毒素や余分な液体をろ過する機能がありますが、慢性腎不全、または慢性腎臓病(CKD)になると、腎機能は徐々に低下します。

この記事では、CKDとその合併症、またCKDのマーカーとしてのOsteoprotegerin(OPG)について特集します。

オーストリアのウィーンに拠点を持つ「Biomedica Medizinprodukte GmbH」社(以下、Biomedica社)は、各種バイオマーカーの測定に有用な研究用のELISAキットを販売しており,日本ではフナコシ株式会社が代理店として販売を行っています。
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腎臓、骨および心臓の関係

慢性腎不全とも呼ばれる慢性腎臓病(CKD)は、腎機能が徐々に低下する疾患です。この進行性疾患の治療法は無く、特に糖尿病と高血圧の患者に発生し、高い罹患率および死亡率と関連しています(1)。
日本ではCKDの患者数が増加していますが、これは主に日本の高齢者人口の増加によるものと考えられています(2)。

慢性腎臓病(CKD)における骨疾患

その他の腎臓の重要な役割に、骨の健康および体内の重要なミネラルバランス維持が含まれます。

CKD患者の多くでは、骨病変につながる骨ミネラル代謝障害発症のリスクが高くなります(3)。そのため、生化学的およびホルモン変化を伴う骨ミネラル代謝異常(MBD)は、CKDの進行に関連する合併症の一部となっています(4)。

慢性腎臓病(CKD)における心血管イベント

CKDにおける骨ミネラル代謝異常は骨だけでなく、心臓および血管を含むその他の臓器にも影響します。
アテローム性動脈硬化と動脈硬化の両方が腎不全患者で促進していることはよく知られています(5)。
CKD患者においては、主に進行性の血管石灰化によって高い心血管疾患の罹患率と死亡率に繋がっていると考えられています。

Osteoprotegerin(OPG)はCKDにおける心血管リスク因子

Osteoprotegerin(OPG)は骨吸収を阻害することで骨量を調節するタンパク質です。
OPGは骨における従来の役割とは別に、内皮細胞および平滑筋細胞にも相互作用するため、血管疾患および石灰化においても重要な役割を果たします(6)。
アテローム性動脈硬化の重症度、発症および進行を頸動脈で評価した、大規模な予測集団ベースの研究があります(7)。研究者らはこの研究で、OPGがアテローム性動脈硬化の進行と心血管疾患(CV)発症の独立したリスク因子であることを実証しました(7)。血清OPGは、血液透析患者においてアテローム性動脈硬化および冠状動脈石灰化進行の予測因子であることも示唆されています(8)。そして血清中のOPG量はCKD疾患進行と共に増加し、これらの患者での死亡率と関連するという報告があります(9)。
さらに、大規模なコミュニティーベースのコホートで実証されているように、高いOPG量は、一般集団のCVイベントにも関連しています(10)。これらのデータは、OPGがコミュニティー内のCV疾患のリスク要因およびCVDおよび死亡率の予測因子のマーカーとなりうることを、強く裏付けるものとなります(10)。

ドイツの大規模CKD研究における最近の文献で、Biomedica社のOsteoprotegerin(OPG)およびFibroblast Growth Factor(FGF23)ELISAの使用がハイライトされました(11)。この文献では、調査された複数のCKD-MBD関連バイオマーカーのうち、血清OPG量のみが一貫して、有害なCV転帰および死亡率に最も高いリスクを持つCKD患者を特定したと報告しています(11)。

Biomedica社のOPGおよびFGF23 ELISAキット

Osteoprotegerin(OPG)およびFibroblast Growth Factor(FGF23)は、ELISA法で高い信頼性で測定できます。

日本では、Biomedica社のOsteoprotegerin (OPG) ELISA および Fibroblast growth factor ELISA キットを、当社の信頼あるパートナーである代理店のフナコシ株式会社よりご購入頂けます。(メーカー略称:BMC、OPG ELISA および FGF23 c-terminal ELISAのページはそれぞれのリンクをクリックしてください。)

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  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

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  • 感度:0.08 pmol/l (= 0.6 pg/ml)
  • 標準曲線範囲:0.2 – 20 pmol/l (= 1.54 – 150.4 pg/ml)
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

参考文献

  1. Chronic kidney disease.
    Kalantar-Zadeh Ket al. Lancet. 2021.398(10302):786-802.
  2. Estimating the prevalence of definitive chronic kidney disease in the Japanese general population.
    Nagai K et al. Clin Exp Nephrol. 2021. 25(8):885-892.
  3. Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder (CKD-MBD): Current Perspectives.
    Waziri B et al. Int J Nephrol Renovasc Dis. 2019. 12:263-276.
  4. Mineral Bone Disorders in Kidney Disease Patients: The Ever-Current Topic.
    Hu L et al. Int J Mol Sci. 2022. 23(20):12223.
  5. Role of Chronic Kidney Disease (CKD)-Mineral and Bone Disorder (MBD) in the Pathogenesis of Cardiovascular Disease in CKD.
    Yamada S et al. Atheroscler Thromb. 2023. 30(8):835-850.
  6. Role of crosstalk between endothelial cells and smooth muscle cells in vascular calcification in chronic kidney disease.
    Zhang YX et al.Cell Prolif. 2021. 54(3):e12980.
  7. Osteoprotegerin is a risk factor for progressive atherosclerosis and cardiovascular disease.
    Kiechl S et al. Circulation. 2004. 109(18):2175-80.
  8. Serum osteoprotegerin is a predictor of progression of atherosclerosis and coronary calcification in hemodialysis patients.
    Kurnatowska I. Nephron Clin Pract 2011.117(4):c297-304.
  9. Circulating Osteoprotegerin in Chronic Kidney Disease and All-Cause Mortality.
    Kamińska J,Int J Gen Med. 2021.14:2413-2420.
  10. Biomarkers of the osteoprotegerin pathway: clinical correlates, subclinical disease, incident cardiovascular disease, and mortality.
    Lieb W et al. Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2010. 30:1849–1854.
  11. Association of mineral and bone biomarkers with adverse cardiovascular outcomes and mortality in the German Chronic Kidney Disease (GCKD) cohort.
    Reimer KC et al. Bone Res. 2023. 20;11(1):52.

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