JASIS2021参加レポート!

多くの分析機器・科学機器メーカーが集まる,アジア最大級の展示会「JASIS(Japan Analytical & Scientific Instruments Show)」。2021年は11月8日(月)~10日(水)に,千葉県・幕張メッセにて盛大に開催されました。

主催者発表によると,2021年は270社の出展,約8,500名の参加者で,検温,事前登録等による感染対策を行いながら,現地開催されました。

今回はこのJASIS2021の各社の展示について,注目の企業・団体様のレポートをお届けします。またこちらは「ランニング」記事となり,投稿しながらの記事更新となります。

※展示会場の写真撮影は許可されておりませんので,現場会場の写真はございません。また各企業様の敬称は省略致します。

株式会社ユニフローズ

その小さな筐体からは想像の付かないスペックを持った小型HPLC装置「ことり」。Twitter界隈で多くの研究者を賑わしました。

その「ことり」実機がブースにて展示されていました。

手乗りサイズの「1液用」筐体はもちろん,会場には「2液用」の筐体展示もありました。

コンパクトで低価格,ポンプ,ヘッド,検出器のカスタマイズが出来るなどのフレキシブルさが魅力。どうしても「大きな筐体」「高価格」「操作が難しそう」というイメージがつきまとうHPLC。そのイメージを払拭し,HPLC利用と導入のハードルを大きく下げたこの「ことり」。今後注目の製品です。

株式会社ユニフローズ ウェブサイト http://cus4.uniflows.co.jp/uniflowswp

株式会社バイオクロマト

コンパクトな筐体にもかかわらず,突沸防止機能などの素晴らしい性能を持った濃縮装置「コンビニ・エバポ」実機が展示されていました。

写真でしか見たことがなかったのですが,実機は想像以上にコンパクト!そしてメタリックカラーがとても映えていました。

コンビニ・エバポシリーズ

そして同社は装置だけではありません。

ユニークな「プレートシール」,これは本当に素晴らしいです。

・打ち抜きができるプレートシール「RAPID EPS」RAPID EPS | 理化学製品の株式会社バイオクロマト | 理化学製品の株式会社バイオクロマト (bicr.co.jp)

RAPID EPS

・打ち抜いてもシールが戻るので,揮発防止効果がある「RAPID Slit Seal」RAPID Slit Seal | 理化学製品の株式会社バイオクロマト | 理化学製品の株式会社バイオクロマト (bicr.co.jp)

RAPID Slit Seal

※各画像は,株式会社バイオクロマト様の許諾を頂き,掲載しております。

株式会社バイオクロマト ウェブサイト https://www.bicr.co.jp/

ボールウェーブ株式会社

手のひらサイズのガスクロマトグラフを紹介していました。こちらのボールウェーブ株式会社は,東北大学発のスタートアップ企業です。

独自技術の「ボールSAWセンサ」により,ガスクロマトグラフを小型化することに成功。

フィールドワークでの環境ガス分析も可能になると考えられる,研究の「裾野」を広げてくれる可能性を感じさせてくれる製品でした。

ボールウェーブ株式会社 ウェブサイト http://www.ballwave.jp/index.html

英弘精機株式会社

多くの機器が展示されていましたが,今回ピックアップするのはこの製品。細胞培養イメージングシステム「zenCELL owl(ゼンセル アウル)」です。

インキュベーター内で細胞観察が可能なシステムは既に多く販売されていますが,この zenCELL owl(ゼンセル アウル)」は,わずか「180 mm×180 mm×105 mm」という超コンパクトな筐体。カメラが24ウェルプレートの位置に配置されていて,各ウェルの撮影が可能です。

インキュベーター内スペースは限られているので,このコンパクトさは大きな魅力です。

英弘精機株式会社 ウェブサイト https://eko.co.jp/

ジーエルソリューションズ株式会社

分析機器で著名な,「ジーエルサイエンス株式会社」グループにある「ジーエルソリューションズ株式会社」。

今回のJASISでは,鍵管理の負担軽減と安全管理を向上させるカギの管理機「KeyManager-EX」を紹介していました。

ICカードを使って管理機を開錠し,鍵の出し入れの履歴(10万件のログを保存)も残せる優れもの。USBメモリ版,LAN版の用意があります。

ジーエルソリューションズ株式会社 ウェブサイト https://www.glsol.co.jp/

バイオタージ・ジャパン株式会社

スウェーデン発の分析化学・有機合成・タンパク質精製等用の自動化装置を開発するバイオタージ社。

ここでは自動サンプル前処理システム・中型分注装置「Biotage Extrahera™」をご紹介。

濾過処理,タンパク質除去処理,SPE(固相抽出),サンプル・溶媒・試薬等の自動分注が可能。近頃は「全部入り」で高額になりがちな機器が多いところ,こちらは自動化できる内容を限定することで低価格化を実現しています。

付属タッチパネルで操作し,ソフトウェアは英語ですが直感的な操作がしやすいメニューとなっていました。

バイオタージ・ジャパン株式会社 ウェブサイト https://www.biotage.co.jp/

株式会社共立理化学研究所

水質検査や土壌検査などの分析製品を多く扱っている株式会社共立理化学研究所。

今年10月に新発売された,水中のカドミウム測定をわずか5分で,現場で簡単に行える「パックテスト カドミウムテスト」を展示されていました。

他金属による阻害も少なく,機械を使用せずに,有害なカドミウムを迅速測定できるのは大きなメリットと思われます。

株式会社共立理化学研究所 ウェブサイト https://kyoritsu-lab.co.jp/

株式会社ニチリョ-

「ニチペット」で著名な,株式会社ニチリョー。10月に同社Twitterアカウント(@NICHIRYO_JP)で,その全貌が公開されるやいなや,120件以上のリツイートと380件以上の「いいね」を獲得した新製品「Nichimate Flush Plus」の実機が展示されていました。

なぜそこまでのリツイートといいねを獲得したかというと・・・卓上小型遠心機ながら,1.5 mLチューブだけでなく,0.2 mLのPCRチューブも遠心できるという優れものだからです。

その他,小型ブロックインキュベーターの「Nichimate Dry Bath」も展示されていました。

同社の小型機器は,性能はもちろんのこと,デザインと配色がとてもきれいで,惹きつける魅力がありますね。

株式会社ニチリョー ウェブサイト https://www.nichiryo.co.jp/index.html