心血管のバイオマーカー (2):新しい心疾患バイオマーカー|Biomedica Medizinprodukte GmbH


バイオマーカーは、前臨床モデルにおける薬効研究に利用できる、貴重な測定対象です。
今回の記事では、新しい心疾患バイオマーカーとされている「Big Endothelin-1、Endostatin、FGF23、LRG」について特集します。

オーストリアのウィーンに拠点を持つ「Biomedica Medizinprodukte GmbH」社(以下、Biomedica社)は、各種バイオマーカーの測定に有用な研究用のELISAキットを販売しており,日本ではフナコシ株式会社が代理店として販売を行っています。
Biomedica社のELISAキットは、国際的な品質ガイドラインに沿ってバリデーションされています。世界中でご利用頂いており、1,500本以上の文献で使用されています。

優れた品質を誇る、Biomedica社の測定キットをぜひご利用ください。

Big Endothelin-1とは?

Big Endothelin-1(Big ET-1)は血管収縮ペプチドで、生物学的な活性型であるEndothelin-1(ET-1)の前駆体です。その濃度の上昇は、鬱血性心疾患での心不全において、独立した指標となります(1)。
Big ET-1はET-1よりも長い半減期を持ち、ET-1と等モル量で循環するため、信頼性のあるバイオマーカーと言われています。

Endostatinとは?

Endostatinはコラーゲン18(collagen XVIII)の分解産物で、細胞外マトリックスタンパク質の一つです。Endostatinは慢性腎臓病および心疾患の病因として重要な役割を果たしています(2)。
高齢者を対象に2つの地域で行われたコホート研究によると、血清中の高いEndostatinレベルは、左心室機能障害および心不全リスクの上昇と関連することが示されました(3)。

Fibroblast growth factor-23 (FGF23)とは?

FGF23はリン酸の代謝を調節するホルモンで、心血管リスクの新しいバイオマーカー候補として示唆されています。高い血液中のFGF23レベルは、心不全や不整脈などの有害な心血管転帰と関連しています(4)。

Leucine-riche alpha-2-glyoprotein (LRG)とは?

LRGは、病原性眼血管新生において重要な役割を果たす分泌型タンパク質です。LRGは心血管疾患、糖尿病、炎症性疾患、がんを含む、様々な疾患にも関与しています。最近の研究では、LRGはB-type natriuretic peptide(BNP)よりも正確に、心疾患患者を特定することが示唆されました(5, 6)。

Biomedica社心疾患バイオマーカー関連ELISAキット

Biomedica社は、血清・血漿中の心疾患バイオマーカーを測定する、高品質なELISAキットを幅広く提供しています。

日本ではBiomedica社のELISAキットを代理店のフナコシ株式会社よりご購入頂けます。(メーカー略称:BMC)

キットの特長

  • オーストリア・Biomedica社で製造開発されています。
  • 130報以上の文献で広く使用されています。
  • FDA/ICH/EMEAの国際的な品質ガイドラインに沿って、キットのバリデーションを行っています。

※日本では全て「研究用」試薬として販売されています。

Big Endothelin-1

  • 商品コード:BI-20082H
  • サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)
  • サンプル量:50 µl / well
  • 感度:0.02 pmol/l (= 0.086 pg/ml)
  • 標準曲線範囲:0 – 3 pmol/l (= 0 – 12.85 pg/ml)
  • 交差性:ヒトET1/2/3 (1-21): <1%, ヒト ET2 (1-37): <1%, ヒト ET1/2 (1-38): <1%, ヒト BigET1/2 (22-38) : <1%, ヒト BigET2 (22-37) : <1%, ブタ BigET (1-39): 21%, ラットBigET1 (1-39): 10%, Sarafotoxin: <1%
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

Endostatin(ヒト)

  • 商品コード:BI-20742
  • サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)、尿、細胞培養上清
  • サンプル量:20 µl / well
  • 感度:4 pmol/l (= 80 pg/ml)
  • 標準曲線範囲:0 – 800 pmol/l (= 0 – 16,000 pg/ml)
  • 交差性:ヒトEndostatinのみ。 COL15A1には交差しない。
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

Endostatin(マウス・ラット)

  • 商品コード:BI-20742MR
  • サンプル種:血清、血漿
  • サンプル量:5 µl / well
  • 感度:0.24 nmol/l (= 4.9 ng/ml)
  • 標準曲線範囲:0 – 32 nmol/l (= 0 – 653 ng/ml)
  • 交差性:マウス、ラットEndostatinのみ。
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

FGF23 (C末端)

  • 商品コード:BI-20702
  • サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)
  • サンプル量:50 µl / well
  • 感度:0.08 pmol/l (= 0.6 pg/ml)
  • 標準曲線範囲:0 – 20 pmol/l (= 150.4 pg/ml)
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

FGF23(Intact)

  • 商品コード:BI-20700
  • サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)、尿、細胞培養上清
  • サンプル量:50 µl / well
  • 感度:0.21 pmol/l (=5.4 pg/ml )
  • 標準曲線範囲:0 – 60.8 pmol/l (=0 – 1,600 pg/ml)
  • 交差性:FGF3、FGF19、FGF21には交差しない。
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

LRG

  • 商品コード:BI-LRG
  • サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)
  • サンプル量:100 µL pre-diluted sample / well (5 µl sample)
  • 感度:検出限界: 0.26 ng/ml;定量下限: 0.5 ng/ml
  • 標準曲線範囲:0 – 64 ng/ml
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」

製品に関する日本でのお問い合わせ先

Biomedica社製品は,フナコシ株式会社を通してご購入頂けます。

製品についての技術的なご質問は,
フナコシ株式会社 テクニカルサポート部
電話:03-5684-1620
FAX:03-5684-1775
E-mail:reagent@funakoshi.co.jp

までお問い合わせください。

参考文献

  1. Plasma concentration of big endothelin-1 and its relation with plasma NT-proBNP and ventricular function in heart failure patients.
    Rivera M et al., Rev Esp Cardiol. 2005; 58(3):278-84.
  2. Endostatin in Renal and Cardiovascular Diseases.
    Li M et al., Kidney Dis (Basel). 2021; 9;7(6):468-481.
  3. Circulating endostatin and the incidence of heart failure.
    Ruge T et al., 2018; 52(5):244-249.
  4. Fibroblast Growth Factor 23 and Long-Term Cardiac Function: The Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis.
    Patel RB et al., Cardiovasc Imaging. 2020; 13(11):e011925.
  5. Proteomic analysis of coronary sinus serum reveals leucine-rich α2-glycoprotein as a novel biomarker of ventricular dysfunction and heart failure.
    Watson CJ et al., Circ Heart Fail. 2011; 4(2):188-97.
  6. Serum biomarker discovery related to pathogenesis in acute coronary syndrome by proteomic approach.
    Shin M et al.,Biosci Rep. 2021; 25;41(6):BSR20210344.

日本の研究者より発表された参考文献

会社情報

会社名Biomedica Medizinprodukte GmbH
部署名
住所Divischgasse 4, 1210 Vienna, Austria
TEL+43 12910745
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