FGF23と心臓|Biomedica Medizinprodukte GmbH


Fibroblast growth factor 23(FGF23)は、主にミネラルの代謝、特にリン酸ホメオスタシス調節の役割で知られているホルモンです。
今回の記事では、FGF23の心臓に及ぼす影響・効果に焦点を当て、特集します。

オーストリアのウィーンに拠点を持つ「Biomedica Medizinprodukte GmbH」社(以下、Biomedica社)は、各種バイオマーカーの測定に有用な研究用のELISAキットを販売しており,日本ではフナコシ株式会社が代理店として販売を行っています。
Biomedica社のELISAキットは、国際的な品質ガイドラインに沿ってバリデーションされています。世界中でご利用頂いており、1,500本以上の文献で使用されています。

優れた品質を誇る、Biomedica社の測定キットをぜひご利用ください。

FGF23とは?

FGF23は主に骨細胞によって骨内で産生され、腎臓に作用してリン酸の再吸収およびビタミンDの代謝を調節します。FGF23は、尿中リン酸排泄の促進とビタミンD産生の阻害によって、リン酸レベルを正常範囲内に維持する補助をしています。FGF23の機能不全は、低リン酸血症性くる病および高リン血症のような症状を引き起こすことがあります。

FGF23とその心臓への影響

研究により、FGF23が心臓と心血管系に直接影響を及ぼす可能性が示唆されました。FGF23レベルの上昇は、心不全、心血管死亡率および左心室肥大(LH)のような心血管関連疾患のリスク上昇と関連しています。
FGF23レベルの上昇は心臓の腫脹である心肥大を促進し、心機能を損なうことが示されています。FGF23が心臓に影響を及ぼすはっきりとしたメカニズムは、現在も研究が進められていますが、経路についていくつかの可能性が示唆されています。例えば、FGF23が、心臓の心筋細胞で発現する特定のFGF23受容体と結合することによって、心肥大を直接誘導する可能性があります。またFGF23は、ミネラル代謝を変化することにより間接的に肥大を促進し、心血管のダメージに寄与することがあるリンの循環レベル上昇をもたらします。

さらにFGF23は、血管内皮に影響を及ぼす可能性があります。FGF23は血管内皮の機能を妨げ、血管石灰化を促進し、心血管疾患の進行に寄与している可能性が示唆されています。FGF23が心臓に与える正確なメカニズムと、心血管疾患におけるその役割の完全な理解には、さらなる研究が必要です。

FGF23の測定方法

FGF23濃度は、血液サンプルから測定できます。FGF23を測定する最も一般的な方法は、従来のELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)を使用する方法です。ELISAはサンプル中に存在するFGF23分子を認識・結合する特異的な抗体を使用しています。抗原抗体反応の強さが測定され、それぞれのサンプル中のFGF23の定量を簡単に行えます。

Intact FGF23とFGF23 C末端フラグメント

Intact FGF23は全長で、生物活性のある状態のホルモンです。酵素的な切断がされず、完全なFGF23タンパク質構造から構成されています。一方、FGF23のC末端フラグメントは、Intact FGF23分子の酵素的切断の結果により生じたものです。

多くの市販のFGF23 C末端アッセイは、C末端FGF23フラグメントとIntact FGF23分子の両方を検出します。

Biomedica社では、ヒト血清および血漿中のFGF23濃度の、信頼性ある定量のために、IntactおよびFGF23 C末端測定用のELISAアッセイを開発しました。

Biomedica社 FGF23 ELISAキット

Biomedica社は、血清・血漿中の心血管バイオマーカーを測定する、高品質なELISAキットを幅広く提供しています。

日本ではBiomedica社のELISAキットを代理店のフナコシ株式会社よりご購入頂けます。(メーカー略称:BMC)

キットの特長

  • オーストリア・Biomedica社で製造開発されています。
  • 多くの研究と論文で使用されています。
  • FDA/ICH/EMEAの国際的な品質ガイドラインに沿って、キットのバリデーションを行っています。
  • Ready-to-useで、色で区別された試薬を特徴としています。
  • 検証レポートおよび使用文献は、こちらからダウンロードできます。

※日本では全て「研究用」試薬として販売されています。

FGF23(Intact)

  • 商品コード:BI-20700
  • サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)、尿、細胞培養上清
  • サンプル量:50 µl / well
  • 感度:0.21 pmol/l (=5.4 pg/ml )
  • 標準曲線範囲:0 – 60.8 pmol/l (=0 – 1,600 pg/ml)
  • 交差性:FGF3、FGF19、FGF21には交差しない。
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

FGF23 (C末端)

  • 商品コード:BI-20702
  • サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)
  • サンプル量:50 µl / well
  • 感度:0.08 pmol/l (= 0.6 pg/ml)
  • 標準曲線範囲:0 – 20 pmol/l (= 150.4 pg/ml)
  • 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
  • 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト

製品に関する日本でのお問い合わせ先

Biomedica社製品は,フナコシ株式会社を通してご購入頂けます。

製品についての技術的なご質問は,
フナコシ株式会社 テクニカルサポート部
電話:03-5684-1620
FAX:03-5684-1775
E-mail:reagent@funakoshi.co.jp

までお問い合わせください。

参考文献

会社情報

会社名Biomedica Medizinprodukte GmbH
部署名
住所Divischgasse 4, 1210 Vienna, Austria
TEL+43 12910745
FAX
Websitehttps://www.bmgrp.com/
E-mailinfo@bmgrp.com