みんな悩んでいる!冷凍サンプル輸送時の心配事
ライフサイエンス研究に使用する細胞や組織などのサンプル(検体/試料)を,冷凍・凍結したまま輸送する必要性は日常の研究生活で頻繁に発生します。しかし多くの人の頭を常に悩まし,心配・不安のタネとなるのが,輸送中の温度変化。
簡単に出荷できるのは発泡スチロール箱にドライアイスを詰めて送る方法(※)です。ですが,いくら冷凍状態保持のためにドライアイスを多く詰めたとしても輸送途中の「気化」は避けられず,予定通りに届くかどうかいつも気を揉むものです。海外へ航空輸送での輸出となればなおさら。台風や大雨といった悪天候による輸送遅延,国内や海外現地での通関や検疫で長時間止まってしまい,届いた頃にはダメージだらけで使用できなかったりと・・・。
※ドライアイスはIATA(国際航空運送協会)規則の「クラス9」危険物に該当し,梱包時には危険物ラベルの外装への貼付,入れたドライアイスの重量記載が必要です。
ドライシッパー(Dry Shipper)とは?
そこで登場するのが,ドライアイスより低温な「液体窒素」をドライシッパー(Dry Shipper,別名ベイパーシッパー Vapor Shipper)という特殊容器に入れて出荷する方法です。
液体窒素を入れて,といっても,「液体の」液体窒素を入れたまま送るのではありません。ドライシッパー内にある特殊スポンジに液体窒素を染みこませ,余分な液体は取り出してしまいます。
ドライシッパーでは,液体窒素の「気相」での出荷になりますが,それでもドライアイスより低温かつ長時間の低温を維持したまま出荷が可能です(ドライシッパーの大きさや構造によって発揮できる効果は異なります)。
「良いこと尽くめ」のように思えるドライシッパー。ですが,正しい使用法で準備を行わないと最大限の効果が発揮できません。誤ったドライシッパーの使用法により,「輸送拒否」といった事態も発生しています。
さらに,容器は再利用が可能です。一方通行の発泡スチロール(ドライアイス)と異なり,相手の物の場合は送ってもらったり,自前のドライシッパーの場合は容器回収の必要が発生します。容器は重量があるため,これを単独で送り返してもらうことの(先方の)手間や費用負担など,別の悩みが発生します。
このような場合は,専門の輸送業者にお願いした方が安心で,対応が簡単です。
CRYOPDPの「Box式生物試料移動用容器 クライオシッパー 2000 輸送サービス」
温度管理輸送の専門家として,特に医薬品業界・ライフサイエンス業界において長い歴史,国内・海外の多くの顧客からの信頼,そして数多くの輸送実績を誇るCRYOPDP。
エア・リキード工業ガス株式会社は,CRYOPDPと連携をして,日本市場におけるドライシッパー輸送サービスを展開しています。
そして今回ご紹介するのが,「クライオシッパー2000」を使用した,ドライシッパーによる輸送サービスです。
本輸送サービスで使用される,Box式生物試料移動用容器「クライオシッパー 2000」は,その優れた性能から世界中の多くの研究者の皆様に愛用されています。
今回は,本サービスを展開するCRYOPDP事業部様に,本サービスの詳細を伺いました!
本日はよろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします。
さて早速ですが,今回ご紹介頂くこちらの「クライオシッパー2000」―どのような特長があるのでしょうか?
Boxタイプと呼ばれるお荷物向けのドライシッパーでは、一度にご収納頂ける最大数が5箱までが一般的です。
それに対して、今回ご紹介させて頂きますクライオシッパー2000は、一度に25箱(※1)までご収納頂ける 非常に便利なドライシッパーになります。
もちろん、庫内温度は‐150℃以下を保持致します。
※1 センターラックを用いた場合に限ります
「クライオシッパー 2000」 は,優れた特長を持っています!
- -150℃以下での大量輸送向けドライシッパー容器
- -150℃以下の保持日数 約15日!
- 引っ越し先での保管場所が整うまでの間、保管容器としても利用可能!
- Box最大収納本数 25箱!(約2,000~2,500 本)(※)
(※)100本立Box(W:133 mm D:133 mm H:52 mm)使用時。25本立などの場合は別途お問い合わせください。
① 持ち手
② クライオボックス W:133×D:133×H:52 mm
③ Box固定用ピン
このサイズで,約15日も‐150℃以下を保持できるのは魅力的ですね。
サイズが大きくなれば、その分液体窒素の吸収量も大きくなり、安定して‐150℃以下を保持することが可能となっております。
カタログスペック/仕様
気になるサービス内容は・・・?
ドライシッパーの事前準備不要!専門家にお任せで安全・安心!
さて,サービス内容についての詳しい話に移りたいと思うのですが――まず,このサービスをお願いした場合,本体内のスポンジへの液体窒素の染み込ませなど,使い方に不安のある方もいると思います。
発送に必要な準備が完了した状態で容器は届くのでしょうか?
はい。お客様の手を煩わせることはございません。
液体窒素の充填が完了したドライシッパーのみがお手元に届きます。
準備も慣れが必要ですから,ありがたいサービスですね。
ありがとうございます。
液体窒素の手配、液体窒素の充填作業、余剰液体窒素の排出など、工程が多岐にわたり、不慣れな方が行うと凍傷や打撲につながり、危険です。
また液体窒素充填の仕方によっては充填不足などを引き起こす可能性がありますので、弊社にて一括対応をさせて頂いております。
国内・海外両方の発送に対応しています!
次に,輸送できる地域ですが,まず国内の輸送はお願いできるのでしょうか?
可能です。離島などは別途ご相談いただく必要がございます
海外への発送の場合,対応可能な地域はどのあたりまででしょうか?
基本的には世界中どこでも対応可能か否かの可否確認をCRYOPDPコントロールタワーと連携をして調査いたします。
現状では、欧米が輸送案件が一番多いエリアとなっております。
輸送時に必要な書類の作成,代行もしてもらえる…?
温度管理の他に,特に気にかかるのが海外へ送る際の面倒な「書類の作成と添付」だと思うのですが・・・こちらも手配をお願いできるのでしょうか?
可能です。海外輸送時はCRYOPDPコントロールタワーと連携を行い、お客様にご記載頂きます書類の確認、必要に応じて作成代行も行いますので、お気軽にお声をお掛け頂ければと存じます。
これはとてもありがたいサービスですね!
サービス内容(まとめ)
- (海外輸送時)インボイス,税関宛書類等の作成
- 液体窒素充填費用込み
- 配送費/空容器回収費含む
- データロガー 1台含む
- データロガー PDFレポート(作成費用含む)
オプションサービス(一例)
通常のサービスに,別途付けられるオプションサービスのようなものはありますか?
国内輸送にのみ適用になりますが、JCSS校正証明書付きのデータロガーがご用意可能です。また必要に応じまして、トレサビリティ体系図もご用意が可能となっております。
その他必要に応じて、特注キャニスター・ラックのご用意や製造が可能となっております(要ご相談)。
お客様のご希望により,以下のようなオプションサービス(一例)のご提供も可能です。
- JCSS校正証明書付きデータロガーのご用意(国内輸送のみ)
- 検体・試料に合わせた特注ラックのご用意(※)
(※)検体・試料の保管方法によっては別の容器をご提案させていただくこともございます。 - 動植物検疫の書類入手対応
その他のオプションサービスにつきましては,お問い合わせください。
輸送サービス費用
お見積り致しますので,お問い合わせください!
通常のサービスとオプションで,不安なく冷凍貨物を発送することができますね。本日はありがとうございました!
こちらこそありがとうございました。
お見積りやさらに詳しい内容は,下記よりお問い合わせください!
お問い合わせ先
社名 | エア・リキード工業ガス株式会社 |
部署名 | カスタマーサービスセンター |
住所 | 〒661-8558 兵庫県尼崎市南塚口町4-3-23 |
TEL | 050-3142-3120 |
FAX | 050-3142-3121 |
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