潰瘍性大腸炎やクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)は、消化管に炎症を引き起こす、慢性的で進行性の疾患です。IBDは世界中に何百万もの患者がおり、その数は増加しています。IBDの正確な原因はまだ完全にはわかっていませんが、免疫系、遺伝性および環境要因の関与が考えられています。
この記事では、最近同定された、IBDの新規バイオマーカー:Leucine-rich α2 glycoprotein(LRG、ロイシンリッチα2グリコプロテイン)について特集します。
オーストリアのウィーンに拠点を持つ「Biomedica Medizinprodukte GmbH」社(以下、Biomedica社)は、各種バイオマーカーの測定に有用な研究用のELISAキットを販売しており,日本ではフナコシ株式会社が代理店として販売を行っています。
Biomedica社のELISAキットは、国際的な品質ガイドラインに沿ってバリデーションされています。世界中でご利用頂いており、1,700本以上の文献で使用されています。
優れた品質を誇る、Biomedica社の測定キットをぜひご利用ください。
IBDによる腸の炎症機構と治療法
IBDの研究によると、免疫系が腸内の無害な微生物あるいは食物を攻撃することが、腸の損傷につながる炎症を引き起こしていると考えられています。
IBDによる炎症では、生命にかかわる合併症を引き起こし、死亡率の増加につながるリスクがあります。
現在のところIBDは完全には治療できませんが、様々な方法で炎症低減による対症は可能となっています(1,2)。
IBDの診断法とバイオマーカーの同定
IBDの診断は、臨床症状と内視鏡検査・放射線検査の結果に基づき複合的に判断されます。(3)。
そして、バイオマーカーの同定により、IBDの診断と治療がこれまでよりも大きく改善されました(3)。
最近同定された血清バイオマーカーの一つ、Leucine-rich α2 glycoprotein(LRG)は、肝細胞および免疫細胞と腸管上皮細胞に発現しています(4)。血清中のLRGは、IBD患者の疾患活動性および粘膜治癒を予測する有用なバイオマーカーであることが、論文で報告されています(5,6)。さらにLRGは、IBD患者の臨床および内視鏡的疾患活動性評価に対する、信頼できる血清バイオマーカーであることが示されています。これは、潰瘍性大腸炎の評価に用いられているC反応性タンパク質の代替となりうると考えられています(7)。
Biomedica社のLRG ELISAキット
LRGは、Biomedica社のLRG ELISAキットで簡単・信頼性高く測定できます。
日本では、Biomedica社のELISAキットを代理店のフナコシ株式会社よりご購入頂けます。(メーカー略称:BMC)
キットの特長
- オーストリア・Biomedica社で製造開発されています。
- 国際的な品質ガイドライン(FDA、EMA、ICH)に沿って完全に検証されています。
- 正常および病態サンプルの参考値が提供されています。
- 迅速-3.5時間で結果が得られます。
- 便利-すべての試薬が含まれています:7本の希釈済みスタンダード/キャリブレーター、2本のコントロールと十分量のアッセイバッファー等
※日本では全て「研究用」試薬として販売されています。
ヒトLRG ELISAキット
- 商品コード:BI-LRG
- サンプル種:血清、血漿(EDTA、クエン酸、ヘパリン)、尿、培養細胞
- サンプル量:5 µL
- 感度:検出限界: 0.26 ng/ml;定量下限: 0.5 ng/ml
- 標準曲線範囲:2– 64 ng/ml
- インキュベーション時間:2時間+1時間+30分(室温)
- 製品紹介ページ:Biomedica社 / フナコシ株式会社
- 使用文献リスト:Biomedica社ウェブサイト「使用文献リスト」
参考文献
- Approach to the Management of Recently Diagnosed Inflammatory Bowel Disease Patients: A User’s Guide for Adult and Pediatric Gastroenterologists.
Agrawal M et al., Gastroenterology. 2021;161(1):47-65. - Disease Monitoring in Inflammatory Bowel Disease: Evolving Principles and Possibilities.
Gastroenterology. Plevris N, Lees CW, 2022; 162(5):1456-1475. - Assessment of disease activity in inflammatory bowel diseases: Non-invasive biomarkers and endoscopic scores.
Rodrigues BL et al., World J Gastrointest Endosc. 2020; 16;12(12):504-520. - Serum leucine-rich alpha-2 glycoprotein is a disease activity biomarker in ulcerative colitis.
Serada Set al., Inflamm Bowel Dis. 2012; 18(11):2169-79. - Leucine-rich alpha-2 glycoprotein as a marker of mucosal healing in inflammatory bowel disease.
Yasutomi E et al., Sci Rep. 2021; 27;11(1):11086. - Evaluation of Serum Leucine-Rich Alpha-2 Glycoprotein as a New Inflammatory Biomarker of Inflammatory Bowel Disease.
Yoshimura T, et al., Mediators Inflamm. 2021;1;2021:8825374. - Leucine-Rich Alpha-2 Glycoprotein Is a Reliable Serum Biomarker for Evaluating Clinical and Endoscopic Disease Activity in Inflammatory Bowel Disease.
Inflamm Bowel Dis. Shimoyama T et al., 2023; 29(9):1399-1408.
製品に関する日本でのお問い合わせ先
Biomedica社製品は,フナコシ株式会社を通してご購入頂けます。
製品についての技術的なご質問は,
フナコシ株式会社 テクニカルサポート部
電話:03-5684-1620
FAX:03-5684-1775
E-mail:reagent@funakoshi.co.jp
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